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2018-03-12

住居のバリアフリーの必要性

日本人の平均寿命が伸びている中で高齢者にとって住居のバリアフリー化は切実な問題になっています。家族の高齢化、自分たちの定年後や老後に備えた住居にしたいという方が年々増加してきています。年をとった時に困らないために早い時期から住居のバリアフリーについて考えておきましょう。

 

高齢者と住居の環境
定年を迎えた高齢者が家の中で過す時間は今までよりも長くなります。また年齢とともに身体機能は少しずつ低下をし、それまでは問題なく暮らしていた住居にも生活の困難さを感じるようになります。
一方、従来の日本の住宅は生活習慣や古くから用いられている寸法(1間=6尺≒1.82m)のなごりから、「玄関の上がり框」・「廊下や洋室と和室」・「脱衣室と浴室」などに高低差が多く、動きにくいと同時につまずきやすい造りになっています。また玄関での靴の脱ぎ履き、布団での寝起き、トイレのしゃがむ動作や、高さのある浴槽をまたぐ動作は、体力の衰えた高齢者とその介助には負担になってしまいます。また廊下や出入り口の幅も狭く、車椅子などの使用や介助には向いているとはとても言えません。あわせて従来の日本の住宅は、厳しい夏の暑さを考えて造られているため冬は寒く、家の中の温度差や足元と天井の温度差は非常に大きくなります。このような住居の中にあるバリアー(障害)は、転倒事故や脳血管障害・心臓疾患を起こす原因となりやすく、「住宅内を自由に動き回れない」ことから起きる身体機能の低下や、介助の困難さからの「寝かせきり」の原因となってしまう可能性もあります。近年の住居は徐々に改善されてきてはいますが、今の住居を見直し高齢者が健康を維持し、自立した生活を送るためには、住まいの環境整備が必要となってきます。

 

 

バリアフリーのポイント

年をとってからも住み続けることができる住居づくりには『身体機能が低下しても日常生活が送れること』・『身体機能の低下が大きくなったときも介護や介助が行いやすいこと』がポイントになってきます。水廻りの位置も高齢者の寝室から近い場所にしておくか、必要に応じて改造できるように計画しておくと安心です。

 

 

移動のしやすさをメインに!

◎床の段差をなくす
つまずきの原因になる床の段差はなるべくなくします。

◎通路巾を確保する
日本の住宅の廊下巾は79㎝です。手すりの設置や介助用車椅子は使用できますが、自走式車椅子を使う場合は通路幅が80㎝以上必要で、直角に曲がるためには90㎝以上必要になってきます。

◎手すりの設置
下地の補強とともに、用途に適した形状や材質のものを選び、体に合った高さに設置しましょう。

◎仕上げ材を選ぶ
転倒を防止するために滑りにくいものを選びます。車椅子の使用には傷が付きにくく、丈夫なものが必要になります。

◎階段の使用
高齢者の生活空間は1階にすることが望ましいのですが、上下階にわたる場合は緩やかな階段とし手摺を設けます。転落したときを考え曲がりのある踊り場付き階段にし、直通階段は避けましょう。足元灯を設置するのも良い方法です。

 

 

生活のしやすさを考えましょう

◎広さ
高齢者の動作から、椅子や車椅子の使用と介助スペースも考えた広さを確保する事を考えましょう。

◎建具
引戸の方が開閉動作が楽にできるよになります。開き戸にする場合は、中で人が倒れても外から開けられる外開きにしましょう。

 

使いやすい器具を選びましょう
◎ドアハンドル、水栓金具
握力がなくても操作しやすいレバーハンドルを選びます。混合水栓は温度調節の出来るサーモスタット付にします。
◎スイッチ、コンセント
明かり付きやワイドスイッチなど、見やすく使いやすいものを選びましょう。人感センサースイッチも便利です。

 

 

機能性と安全性を確保しましょう
◎暖房器具
冬の室温の急激な変化を避けるために、トイレや脱衣室、浴室にも設置を検討しましょう。
◎エアコンの設置
高齢者は体温調節が難しくなるため、熱中症や低体温症にもかかりやすくなってしまいます。居間や寝室などの長く居る部屋で安全で快適に過ごすために必要となります。風が体に直接当たらない位置に設置しましょう。

◎照明器具
年齢とともに眼の水晶体がにごり、ものが見えにくくなると同時に光をまぶしく感じるようになります。60歳で成人の1.5倍、80歳では2倍の明るさが必要と言われています。十分な明るさと照明の光が直接目に入らない工夫をしましょう。また日中は、自然の光で快適に過ごせるようにすることも健康な日常生活を送るためには大切になってきます。

◎非常用連絡装置の設置
必用なときにインターホンや緊急ブザーが設置できるよう、あらかじめ配線をしておきましょう。

今回は高齢化に伴う住まいのバリアフリーについて説明しましたが、高齢者の中には健康な人もいれば病気や障害を持った人など様々です。より良い住居づくりのためには、それぞれの身体状況に合わせたきめ細かい住居の環境整備が必要です。

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